「足利事件」で思う事など、およびついでにトラバ。

前回のエントリーから「足利事件」で思う事など。


某所で紹介されてた佐藤弁護士さんのインタビュー記事。

http://allatanys.jp/B001/UGC020006020090508COK00288.html



これで思う事はDNA 検査の精度、信頼性などの他にも問題が有りそうってこと。

そして事件当時に捜査を陣頭指揮した元栃木県警幹部(75)のブログに批判コメントが殺到し、「炎上」状態になりましたが、そういう個人のせいにするような問題でもないだろうということ。

インタビューの中に「しかし、私は一審の弁護人から菅家さんは犯人であると直接聞いていました。」とあります。

警察や検察だけじゃなくて、一審の弁護人が犯人だって思ってた。

重要なポイントはインタビューの中の言葉、「菅家さんは知的レベルが必ずしも高い人ではありません。」ではないでしょうか?

これはかなり控えめな表現なんだろうなって想像してます。

捜査の中で近所にあやしい人はいませんかと聞き取りをした時に、軽度知的に問題がある菅家さんが容疑者とされたのでしょう。

普通と違う、それで普通の人にとってはあやしい人。



そして取り調べでも供述はコロコロ変わる、たやすく誘導される、誘導されてでてきた証言を今度は本人が本当のことと思い込むなどがあったのでは?




最近、これに似た事件があったので気になっています。

http://motoken.net/2008/12/26-114848.html

この事件ではなぜか今のところマスコミには容疑者の供述ばかりが報道されていて、物証についてはあまり報道されていません。

捜査の最中なので警察からまだ発表されていないのかも知れません。(もしかしたら私が報道を見逃してるのかも。

で、報道から想像すると、取り調べはうまくない印象。

こっちの事件の容疑者はさらに障害があきらかな人で、尋問がそのまま誘導尋問になってるんじゃないかとの疑いがわきます。

この容疑者が犯人かどうかについては、私はまったく判断の材料を持ってませんが、自白では無く物証中心の裁判になって欲しいなと思ってます。(たぶん証拠隠滅するだけの知的レベルではないみたいなので犯人であれば物証はたくさんあるはずとは思ってますが......びみょ~に心配。



取り調べに弁護士さん立ち会いって意見もありますが、私はこういう場合は弁護士さん以外の専門家、発達障害の専門家や福祉の専門家、心理士など容疑者の必要性に応じていろんな人の協力が必要なのではないかと思います。

ハスカップさん(謎の恐ろしく博識な公務員さん。)によると

 判例に表れたものとして

・幼児や知的障害者(被害者)の取調べで、保護者(両親、施設の担当者)

などの立ち会いの例があるそうです。

そこんとこさらに進めて容疑者の取り調べに専門家の立ち会いもあればなあと。

「お前がやったんだな?」に「はい。」って答える知的障害者にそれが本当の証言か確認するために「本当だな?」って聞いても多くの場合だめじゃないかと思います。

やってなくてもやっぱり「はい。」って答える人もたくさんいそうだから。

でもその場合「あなたはやってないですね?」って聞いてみれば「はい。」って答えるでしょう。

そうすればその人の「はい。」には意味は無く、とりあえず質問者に肯定的に答える人だって判るでしょう。



障害特性の理解、そういう人たちへの適切な対応などの専門的な部分は、取り調べをする人の良心とかそういう精神論だけじゃどうにもならないだろうと。

警察の人たちが普段相手にしてるだろうしたたかな犯罪者とは違う、いろんな意味で心の弱い人たち。

こういう人が不利益を被らないような制度を希望します。



あ、境界型人格障害の場合もさらに困難そうなので精神科医の立ち会いも必要かも。

これは専門家でもかなりふりまわされるだろうと思います。



ところで「東金事件」で引用したブログでは部分的な録画ではなく「取り調べの全面録画をしておいたほうが絶対にいい事件のように思われます。」とあります。

にも関わらず、ブログ主が取り調べの可視化を否定してる人のように誤読?印象操作?誹謗中傷?しているブログがあるのでトラバっときます。