発達障害における療育ということ。その1

なんだかよく判らないけど療育と言う言葉を使ってきました。

ググったら「心身に障害をもつ児童に対して、社会人として自立できるように医療と教育をバランスを保ちながら並行してすすめること。東京大学名誉教授の高木憲次(1888―1963)によって提唱された概念で、「治療をしながら教育する」ことがたいせつであるという意味合いが込められている。すなわち「療」とは医療あるいは治療を意味し、「育」とは養育や保育もしくは教育を意味する。」と出てきました。

この言葉を作った人がはっきりしてるんですね。知らなかった。

 

一般に療育はそれが必要であると診断されることから始まるので、入り口には医療は存在しますが、医療機関と療育機関が併設されている施設は少ないと思われますので、診断後は医療は投薬が必要なケースを除き、定期的な知能テストや脳波検査、あとは年金などのための診断書の作成くらいしか関わらないことが多いかも。

 

また、今のところいくつか仮説は有りますが、発達障害の原因も治療法もまだ見つかってないので、医療のほうでは治る病気ではなく「障害」であり、療育が必要と言われることが多いかと想像します。

そのことで医療不信になってるっぽい人を見かけます。

「治らないと言われた、ひどい!」「医者なら治せよ!」みたいな。

 

.....根本的な治療法はまだ無いんです。

 

でもそれでおしまいではなく、そこから本題の療育が始まります。

療育自体は家庭と療育機関が中心になるかと思います。

 

療育機関にはばらつきが大きいようです。

昔はプレイセラピーと称しただ遊んでるだけみたいなのも有りました。

(それでも何もしないよりはずっといいんでしょうが...)

今はわりと応用行動分析的なやり方を取り入れてるとこが増えているように思います。

狭い観測範囲ですが。

 

で、療育機関の質のばらつきや、よさそうなとこには待機が生じること、民間のは費用が結構かかることなどで不満も有るかと思います。

それで療育機関なんてダメだ!!みたいになってる人もいるような。

 

家庭でやればいい。

それは出来るならそれでいいと思います。

 

昔、講演で拝聴した河島淳子先生のお話はすごかった!

自閉症と言うものがほとんど知られていなかった時代に、末っ子の自閉症のお子さんをどう育てるかということをご自身で考えて実践なさったのです。

もともと小児科医でいらしたことや、その他の教養にも恵まれたかたで、講演でうかがった子育ては応用行動分析を取り入れた療育そのもの。

よくもその時代にお一人でと思いましたが、ご本人も自分にはそれができる能力と環境があったからで誰にでもできるわけではないとお考えになられて、子育て後もトモニ療育センターをお作りになられて他の人たちをサポートなさった。

う~~~ん、尊敬します!!

 

あと、つみきの会の藤坂さん。

お嬢さんのためにご自分で応用行動分析による療育の中でもロバース法という早期介入療法を実践なさり、その最中に一緒に実践する仲間を求めて会を立ち上げられた。

しかも素人ばかりで行うことを危惧する声に対し、大学にはいりなおして臨床心理学と応用行動分析を学ばれた。

すごいです...尊敬します...

 

が、普通の親はそうはいきません。

そもそも普通の人は子供が診断されて、それ何なの?状態。

そこから障害について学ぼうにも、普通の子以上に手のかかる障害児に振り回されて、無事に育てるだけで精一杯。

そしてちいさい兄弟児がいたりしたらもうてんてこまいでしょう。

 

で、私としては過去何度も書いてますが、公的な療育を充実させて欲しいんです。

そして療育の大事な点は直接の子供の指導以上に、親教育だと思っています。

普通の子と違うらしい...どう対応していいのか判らない...と途方にくれてる親に、いろんな子を指導してきた療育者がやり方を伝授する、ここが肝心。

なんと言っても幼児期は一緒にいる時間が長いのは親でしょうから。

 

よい療育に出会えなかった、いっぱいで断られた、あまり質のよくない療育で無駄だったなどなどから、療育なんて役に立たない!!という怨念の声が聞かれます。

 

「医者は治せないと言った、ひどいですね!!療育機関ははいれなかった、はいれたとこはひどかった!!そうですか、それなら医療や療育と決別しましょう!!

かわりにうちのやり方をやってみましょう!簡単に治りますよ!!」

 

.......こんなの信じないでくださいと言いたい...

 

でもすがる藁を排除するには浮き輪が必要...

日本中どこに住んでいても公費で良質の療育が受けられるようになって欲しい。

 

そしてそれは少子化対策でもあるかも。

どんな子供が生まれても大丈夫ですよ、安心して産みましょうねと言える社会を希望します。