愛の産科。

自分の帝王切開についてちょいとコメントしたので、思い出話しなど。


お世話になったのはN先生。

いかにも紳士って感じのおだやかな口調の先生。

一筋の乱れも無い七三分けは学生の間ではヅラの噂も。


学生の頃、始めての産科の講義にはなにやらものすごい違和感を感じました。

おばちゃん先生の児頭の回旋がどうしたこうしたって話しは私にとっては「おお!これは産婆学!」

そのほかの科では学生が教わるのは基礎知識なわけですが、産科はもう理屈抜きに実践の話しお産婆さんの説明みたいでした。


そして何回目かの講義にN先生、登場。

テーマは「産科における血液学」

妊婦の血液の状態が非妊娠時とどのように違うか、凝固系のお話などなど。

お産の時のDIC や羊水塞栓も含め、きっちりアカデミックな講義。

おおおおこれは「産婆学」では無く「産科学」だ!!!


そしてお産における出血がどんなに特殊で怖いものか理路整然と講義なさるN先生の頼もしさ。


卒業後、結婚、妊娠、N先生が主治医になってくださいました。

子宮筋腫があってお腹の子は逆子。

帝王切開にしましょうねって言われてもちろん何の疑問もありません。

そして意外な一言。

帝王切開のついでに筋腫も取りますか?


帝王切開でチビはあっという間に出てきました。

羊水でふやけたその顔はその前年に亡くなった父そっくり!!

うわあ!エラいもん産んじゃった!!祟りじゃあああと思いながらもお礼を言うと、

「筋腫は取りやすい場所に有りますよ。どうします?」


普通は帝王切開のついでには筋腫の核出はしません。

出血が多くなるから。

でも私はN先生を信頼してましたから、迷わずお願いしました。(ついでって言われると儲けた気になるという私の性。笑)

そうお産の出血の怖さを充分に教えて下さったN先生は手術も凄腕。


結果は羊水込みの出血量は下の子の時より少なかったくらい。


とても見事な手術であったと見えて、その後私は予定外に第二子を妊娠し激務の職場を離れることとなったのでした。(いえね、今となってはあのタイミングで追い出されてよかったっちゃよかったんですけどね。その後あの職場は崩壊したし。笑